外国人作曲家
Composer who isn't Japanese

S

『Minerva's web / The Tears of Niobe』 Stephen Scott (90 New Albion)
ピアノの驚異
 遠くから静かに流れてくる細い長音がゆっくりと反響しながら一本一本重なり共鳴し合う。多層にノイジーになってくると、音は何処までも伸びる蛇腹を持ったアコーディオンを想起させる。ギシギシ擦る音がリズムになり、低音ドローンが忍び寄り、チェンバロみたいなチャンチャンはじくメロディが入ったり出たりしていく。タイトル二曲とも25分を超える長大な曲だが、ただのドローンではなく構成感がある。ピアノ一台を十人(前後)が内部演奏することによってこの多層反響音楽を作り出している事に驚くでしょう。
『Horses of Instruction』 Steve Martland (01 Black Box)
ガンガンいったれ!
 ワハハハ、スゲー。ギクシャクしたリズムで変拍子ユニゾン。お前はプログレか(笑)。現代音楽ミニマル界のホープ、スティーブ・マートランドが自分のバンドを率いて録音。ルイス・アンドリーセン直系の縦に縦に入るリフ、べた塗りのようなホーンが炸裂。細かいメロディが大音量で次々と流れ出る。時にケルティックな泣きのヴァイオリンが出たり、低音サックスがバスドラ連射とユニゾったりもうバカ(笑)。スピリチュアライズドとコラボッた「Terminal」は宇宙サイケなファンクギター弾きっぱなし&ミニマル・サックス循環吹きでヤバッ!踊れっ!
『Reich at the roxy (CD+DVD)』 Alarm will sound (06 sweetspot)
ミニマル・ライブ
ルイス・アンドリーセンからエイフェックス・ツインまで幅広いレパートリーを持つ現代音楽演奏集団アラーム・ウィル・サウンドがミニマルの巨匠スティーブ・ライヒの「Music for Mallet Insturments,Voices & Organ」「Sextet」「Three Genesis Settings from 'The Cave'」を演奏したライブ映像(同内容のCD付き)。彼らはつぶつぶの炭酸がプチプチと浮いては消えるような、或いはパステルカラーのシャボン玉が沢山飛び交ってるような美しいミニマル・サウンドを正確な技術を持ってぴっちり演奏しています。木琴、鉄琴、ビブラフォン、ピアノが織り成す音の万華鏡にカンドー。空中カメラと客席移動カメラを使い、編集もきちんとしてるので観てて飽きないし手元もバッチリです。客席にライヒがいます。インタビューも有り。
『You are (Variations)』 Steve Reich (05 Nonesuch)
丸くなったなぁ
 ミニマル現代音楽の巨匠スティーブ・ライヒ(b.1936)、タイトル曲と「Cello Counterpoint」を収録。「You are 〜」左右にマリンバやピアノ(4台!)の単旋律が小刻みに飛びその上にコーラス、木管、弦楽四重が長音を加える。またストリングスやピアノによるアクセントを合図にどんどんと音色が変化してゆく約26分の作品。今までよく使っていたサンプラーが無くなる一方コーラスが出ずっぱりなので凄く聞き易くなり、過去を知ってる人には物足りない。「Cello 〜」はオーバーダビングによるチェロ八重奏曲。定続リフの上にで短いメロディがズレたり重なったりしながら派生してゆく。けっこうアグレッシブだが途中スロー・パートにおける旋律が悲しげで良い。

『Three Tails』 Steve Reich (03ワーナー)
来た〜、サイコー!
 四角四面の鋭いパルス・メロディが右へ左へ飛びながら派生拡大してゆく。通奏低音のように叩き続けるマリンバ・パルスをバックに、弦楽器が短く分断されたインタヴュー・サンプリングをユニゾンでなぞる。中世風なコーラスがズレながら輪唱する。ライヒの歴史がすべてこの一枚(DVD付くから二枚だけど)に集約されている。しかも今までで一番ノイジーかつアグレッシブ。サンプリングに曲を合わせていた『The Cave』とは逆に、曲にサンプリングを合わせたので流れは一層滑らかに、ヴァイオリンは時に叙情的に、サンプリングの連射はユーモラスになった。60分一気に聴かせます!
 DVDにはCDに無い序曲がついた完全映像版。記録映像やインタヴュー映像から登場人物だけを切り抜き別の背景にコラージュ的に重ねるがこれが今一しょぼい。もっと映像に金をかけろ。元の映像を絵画風に変形した第二章「BIKINI」は綺麗でグー。最終的にカットになったパートやアンサンブル・モデルンの映像などアウトテイク集も入っている。

『Triple Quartet』 Steve Reich (01 ワーナー)
クロスワード・パズルが埋まってく楽しさ
 クロノス・カルテット25周年記念のタイトル曲だが意外と普通の弦楽四重奏、もちろん音量は三倍(笑)。分厚くアグレッシブでスピードダウンしてくると叙情的になるが、ライヒ印のズレはあまりない。「Different Trains」を期待するとハズレます。他は既発曲を熱心な演奏家が演奏したもの。ちょっとヴァン・ヘイレンみたいな多重エレキギターが一音ずつズレる「Electric Guitar Phase」。透明感と鋭さを併せ持ちつつズレていく「Music For Large Ensemble」。吉田ミカがMIDIマリンバを使って一人で多重録音した(計11人分)「Tokyo/Vermont Counterpoint」。これはオモチャのレゴ・ブロックが高速で積み上がってく映像を見ているようで面白い。

『FOUR ORGANS』 STEVE REICH (00Fine Classics)(輸)
タワレコで千円です

  たぶんNewToneから出たレコードのCD化。「Phase Patterns」との二曲入り。70年のライブレコーディングで目玉はフィリップ・グラスとグラス・アンサンブルのジョン・ギブソンが参加してること。「Four〜」は同じ和音が徐々に長くなりながら何回も繰り返される。「Phase〜」はユニゾンで始まったパルスメロディが一人ずつずれて行きモアレ状態になる曲で「Six Pianos」の原型風。

『City Life』 Steve Reich (96ワーナー)

 ソプラノ、テナーのコーラスがテキストを静かに歌いビブラフォンとオルガンがサポートする「proverb」。二台のマリンバが美しく流麗なかけっこ「Nagoya Marimbas」 。18名のアンサンブルに街の音をとったサンプリングが組みこまれる。特にサンプラー2台が連射される所はクール「City Life」。

『Tehillim/Three Movements』 Steve Reich (94ワーナー)

 四人の美しい女声が旧約聖書の詩編を当時の言語で歌う。静かになる手拍子やマリンバのリズム、女声の追い駆けッこが綺麗な「Tehillim」。弦楽器と管楽器がゆっくりと姿を現し急-緩ー急の三楽章を追い駆けっこしながらエンディングへ向かう「Three Movements」。

『Different Trains/Electric Counterpoint』 Steve Reich (89ワーナー)

 「Different〜」はクロノス・カルテットが演奏。ギコギコギコと列車の走る音や汽笛の音を出す。イントロからもうカッコイイ。途中からサンプリング声が入りそれとハモったりずれたりしながらずんずん展開して行く。「Electric〜」はジャズギタリスト、パット・メセニーの一人多重録音。簡単なフレーズが重なりずれていくことで音のモアレ状態が広がっていく。即興は無いのでパットである必要は無い。音色の柔らかさはパットらしいけど。名盤です。

『Sextet,Six Marimbas』 Steve Reich (86ワーナー)

 「Sextet」はマリンバ、ビブラフォンをシンセやピアノが補完しつつ進行する全5楽章で高-中-低-中-高の速度変化になっている。第五楽章は群衆がこっちに向かって迫ってくる様で特にカッコイイ。「Six Marimbas」は「Six Pianos」の短縮マリンバ版。ジャケットが内容を表してます。

『The Desert Music』 Steve Reich (85ワーナー)

 アメリカの詩人の詩を合唱団が歌いオーケストラが演奏する。89人のオケと27人のコーラス。コーラスは意味を離れ純粋な音色も出す。オケは静かに静かに音を重ねたり減らしたり。コーラスもずれたり追い駆けたり繰り返したり。

『Six Pianos/Variation For Winds,Strings & Ketboards』 Steve reich (DG)

 ライヒと言えば「Six Pianos」。シンプルなピアノのリフがちょっとずつずれていく事で多様な曼荼羅を作り出す。聴く度に違って聞こえる。砂時計の中に埋もれていく感じ。他2曲も静かに徐々に変化していく綺麗な曲。録音が古く音質が良くない。

『Offertorium』 Sofia Gubaidulina (89ポリドール)

 「Offertorium」は武満徹みたいに急にグワッとくるオーケストラを後ろに多少メロディのあるヴァイオリンが流れる。楽器が錯乱したような‘いかにもゲンダイオンガク’した部分もある。オケが下降してきてゴングがジャ〜ンとか。最後のほうで哀愁入った静かなヴァイオリンが聞ける。「Hommage a T.S.Eliot」は女性ソプラノの歌入り。ソプラノソロ、不響リズムをバックに、てんでんバラバラ混乱オケをバックにして歌う。両曲とも聞きやすいゲンダイオンガクといったところ。

『Chamber Pieces For Bayan,Cello,Organ & String Orchestra』 Sofia Gubaidulina (89テイチク)

 「In Croce」は、昔のテリー・ライリーみたいにオルガンがピロピロ静かに鳴りチェロが‘ぐ〜いっ、ぎゅ〜ぃっ’と入って来る。ヒステリックな掛け合いを経てチェロのフリージャズっぽいソロになる。 「Et Expecto」はバヤン(アコーディオン)のソロ。冷たいパイプオルガン風の音と‘ぶしゅ〜〜〜’と気の抜ける音が交互に聞こえる。ツライ。‘ビャビャ〜ン、ぶしゅぅぅ、ジャ〜ン、ぱしゅぅぅ’、あ〜あゲンダイオンガクだよ。テキトーにやってる様に聞こえる17分。 「The Seven Last Words」はチューニングしてるみたいなチェロで始まる。美しく上昇するオケもあるがそのまま混沌状態に入り高音の不響ヒステリック和音が割り込んでくる。ツライ。最後は静かにオルガンがピヨピヨ鳴る。

『Underground Overlays From The Cistern Chapel』(New Albion) Stuart Dempster
眠りから瞑想へ
 P・オリベロスの仲間、デンプスターが廃貯水タンクで録音。教え子九人、全部で10本のトロンボーンが‘もぁもぁむぃ〜ん’、‘ゆやゆよ〜ん’(@中原中也)と多重に響く。デンプスターの法螺貝・ソロやデジャリドゥ・ソロの曲も有る。楽器は違えど聞こえて来るのはどれもディープ・アンビエント。全七曲平均9分だが継ぎ目の分からない長大な一曲でもある。超訳すれば『巨大貯水礼拝堂の地下多重奏』。ネムイ。

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